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タワーマンション…分譲価格と相続税評価額の差が相続税対策に!
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路線価と固定資産税評価額
土地の相続税評価額となる「路線価」は、公示価格の80%です。公示価格を時価とすると…土地は、時価の80%相当額に対して「相続税」が課されるわけです。建物の相続税評価額である「固定資産税評価額」は、一般に、建築費の50%〜80%程度でしょう。
「マンションの」相続税評価額は、土地の敷地持分と建物持分があるので、それぞれの持分を評価します。土地の評価額は、マンション敷地全体の「路線価」に持分を乗じて算出します。建物の評価額は、専有部分と共用部分を按分計算した面積である《建物持分》の「固定資産税評価額」です。
「戸建住宅」では、土地と建物のそれぞれについて評価されます。
タワーマンションの相続評価
東京都心部…あるタワーマンションの20階に、販売価格5,000万円の住戸があります。相続税評価額は、〈建物持分の固定資産税評価額が600万円・土地持分の路線価評価額が1000万円〉で、合計1,600万円。5,000万円で買ったのに、1,600万円の評価です。
「マンション」の価格は…《近隣の専有面積あたりの単価》を相場に設定され、土地価格とリンクしないので、相続税評価額が実際の販売価格より低くなります。中でも容積率割増となる《大規模タワーマンション》は、一住戸の土地持分が少ないため、相続税税評価額との間に大差が発生するのです。
「戸建住宅」であれば、土地と建物の合計価格で考えられるため、これほどの大差はありません。
南の40階と北の2階
タワーマンションには、層階による大きな価格差があります。この《20階5,000万円の住戸》と面積が同じでも、分譲価格は…40階南向きは7,000万円、2階北向きは3,500万円になります。
3住戸は、建物の「固定資産税評価額」が同じです。固定資産税は、階層の上下や向きにかかわらず、面積のみを基準に単純評価されるのです。また、専有面積が同じなので、《敷地持分》も同じです。
つまり、この3住戸の相続税評価額は…土地も建物も全く同じなのですから、1,600万円になるわけです。しかし、販売価格は、〈7,000万円・5,000万円・3,500万円〉の大差です。
近隣は?
このマンションは、表通りに面しています。さて、通りの奥にも似たようなタワーマンションが建ち、分譲されました。表通りから一歩入ったためか、通りに面したマンションより、高額です。
しかし「路線価」は、この《新マンション》が接している道路の方が、表通りより低くなっています。そこで、分譲価格は高いのに、「路線価」…つまり相続税評価額は低くなります。
不合理!
「マンション」の価格は、《土地価格+建物価格》ではなく、『近隣の専有面積あたりの単価』で決まります。そして、『階層』や『方角』によって変わります。しかし、「固定資産税評価額」や相続税評価額を決めるのは、『面積』だけなのです。
では、相続税対策効果が最大なのは、どの住戸でしょう……《40階南向き》です。そして、《一歩入った新マンション》の方が、効果はさらに高そうです。
贈与で節税
《40階南向き》を購入後、しばらくしてから子に贈与します。評価は1,600万円なので、『相続時精算課税制度』では贈与税ナシです。
更にしばらくしてから、子がこれを7,000万円で売却すると、代金は全て子が受け取れます。受贈物件を譲渡した場合の取得原価は、贈与者(親)から引継がれるのです。税務上、子が7,000万円で購入して7,000万円で売却したことになるので、「譲渡税」はわずかでしょう。
また、子が《40階南向き》に住んでいたら…《住宅取得資金の特例》により、3,000万円の『特別控除』も使えます。