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賃貸マンションで相続税対策…敷地の路線価次第で節税可能!
相続税は現金納付が原則です。現金納付できなければ延納です。延納でもダメなら物納です。
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建物敷地の取り方で…
1,000平方メートルの更地に、賃貸マンションを建てる場合…(1)と(2)の、二つの建築のプランが考えられます。土地が喜ぶような優良建物(?)を建てるなら、広い道路に接するように建築する、プラン(1)が良いでしょう。そして、建築の目的が《相続税対策》であるならば、プラン(2)の配置が有効です。
プラン(1)は、一般的で分かりやすい配置です。しかし、《相続税対策》のプラン(2)は…建物は狭い道路に接し、広い道路側は月極駐車場になっています。
路線価マジック?
土地を『路線価』で評価する場合、その土地が接する、一番高い『路線価』で相続税評価額を算出します。賃貸マンション敷地では、貸家敷地として、さらに「貸家建付評価減」を行います。
この賃貸マンションの敷地は、更地の状態では10億円(=100万円×1,000平方メートル)です。(※奥行や側方路線価の影響等は省略)プラン(1)の土地評価は、建物を建築した後も、更地と変わらず10億円です。さて、不思議な配置のプラン(2)の土地評価は、どうなるでしょう…。
路線価切り換えの技!
月極駐車場200平方メートルが接する『路線価』は、100万円です。一方、賃貸マンション敷地800平方メートルが接する『路線価』は50万円のみで、100万円の『路線価』とは接していません。
計算すると…月極駐車場部分は2億円(=100万円×200平方メートル)、賃貸マンションの敷地部分は4億円(=50万円×800平方メートル)、合計で6億円です。プラン(2)は、敷地の取り方によって、相続税評価額が下がっているのです。
高い路線価評価を回避
プラン(2)の月極駐車場については、フェンス等で区切るなど、賃貸マンションとは明らかに別の物件と分かるように運営します。賃貸マンション賃借人の《専用駐車場》にした場合…〈駐車場は、建物(賃貸マンション)の一部である〉‥として、プラン(1)と同じ評価になることもありますから。
土地活用として望ましいのは、おそらく、プラン(1)であると思われます。しかし、賃貸マンションを建築する目的が、土地有効活用ではなく相続税対策であれば…〈建てて終わり〉‥とはいきません。プラン(2)で建築して、実際に相続が起こった場合…「相続税」を申告した後で、フェンスを取り払い、駐車場と建物を一体化して活用するのも可能です。
固定資産税vs相続税
プラン(1)で建築した場合は、土地全体が《住宅敷地》になり、「固定資産税の軽減特例」が適用されます。1,000平方メートルの土地の「固定資産税」が、6分の1になります。
プラン(2)の場合も、賃貸マンション敷地部分800平方メートルには、この特例が使えます。接する道路の関係から、固定資産税評価額が、下がることもあるでしょう。しかし、月極駐車場部分については…《住宅敷地》に該当しないため、軽減の特例は使えません。