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不動産値上がり時代の相続税対策…「買戻し特約」への反省
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買戻し特約・考案背景
バブル前、「路線価」は、公示価格の50%程度でした。それが現在では、80%相当になっています。
昔ほどではないにせよ、小規模宅地評価減特例等まで使えば、実際の相続税課税は、かなり下がるのが事実です。
不動産価格が急騰すると、評価との格差が拡大するのです。不動産を《取得した形》にすると、『相続税対策』になりそうですね。そこで、失敗しないように昔のバブル期の教訓です。
買戻し特約・実施要領
(1)父が、銀行から10億円を借りる。
(2)10億円で賃貸物件の不動産を購入すると同時に、売主業者と「買戻し特約」を締結する。
(3)父の死亡により、相続発生。
(4)10億円は『土地建物』として低く評価され(例えば5億円)、相続税が軽減する。
(5)買主側の請求を受けた売主業者が、不動産を10億円で買い戻す。
「買い戻し特約」の契約書や念書は、税務署に発見されないよう、隠しておきます。税務調査で見つかると、〈土地建物ではなく10億円の債権である〉‥と指摘される可能性があります。
買戻し特約・実行不能
昔はこのような《買戻し特約プラン》がかなり見受けられました。
…売主が、〈不動産価格の上昇は継続する〉‥と考えたため成立していました。値上がりするのが分かっていれば、〈買い戻し請求はしないはず〉‥と思ったわけです。
ところが、現実は…不動産が、暴落しました。売主業者は、破綻します。「買戻し特約」は、ホゴになりました。多くの場合、買主側までもが破綻したのです。
買戻し特約・絵画編
バブル期は…絵画の《買い戻し特約付売買》も、提案されました。絵画の『相続評価』が、意外に低い場合があるからです。
絵画を買っておきながら、画商にそのまま預けておくのです。相続が落ち着いたところで、画商が、売った値段で買い戻すのでしょう。
こうなると、もはや絵画の売買ではありませんね。絵画の価格(価値)は、幾らでもいいわけですから。